誰でもいる。

脳内のバグをアウトプットしてます。

ずん飯尾みたいな顔

2月20日土曜日

今日は一日中部屋で本を読んでいた。

 

2021年芥川賞受賞作「推し、燃ゆ」。

 

22歳の現役大学生が受賞したということで文章力を勉強するのも兼ねて読んでみた。

 

豊かな表現力と斬新な物語の切り口は流石のもので、

 

とても楽しんで読めた作品だった。

 

 

ただ。

 

ただ、一つ気になったのは

 

この本買ったときにおじさん店員が

 

「推しは燃えるじゃなく萌えないとね」

 

って渡すとき話しかけてきたけど

 

 

 

 

 

 

うるせーよ。

 

 

 

 

 

 

 

読書の休憩に台所へ水を飲みに行った時、

 

兄が隣の和室で音楽を聴きながら筋トレをしていた。

 

我が家の和室には、つい最近兄と父が購入したベンチプレスとダンベルが置いてある。

 

 

なので、僕もたまに、というか割と真面目に使わせてもらっている。

 

なんなら僕が一番使っている。

 

おかげさまでアスパラのように貧相だった腕は

 

ベーコンが巻かれたぐらいには変化してきている。

 

アスパラとアスパラベーコンでは見た目の差はさほどだが

 

弁当に入っていた時の嬉しさ、人気度は桁違いだ。

 

アスパラ単体での誘いなら大体の人は理由をつけて断るが

 

ベーコンさんも来るよと聞いたら否や

 

「まぁベーコンさん来るならいこっかなぁ」

 

となったことがある人も少なくないだろう。

 

 

兄が筋トレしながら聞いているのは

 

現在兄弟でハマっているNiziU。

 

4月7日には2nd singleをリリースするからぜひみんなチェックしてほしい。

 

兄がアイドルにハマるのか気になって

 

リビングのテレビで虹プロを流してたらまんまと食いついてた。

 

さっき台所に来る途中まで彼の歌声が聞こえていたので相当ハマってるらしい。

 

台所で物音を立てた瞬間歌声が鼻歌にやんわり変わっていったときは

 

ニヤリとしたが。

 

僕は兄に聞いてみた

 

「筋トレの時NiziU聞いてるんだ?」

 

「おう、やっぱ心が燃える曲かけて気張んないとな。」

 

「ふーん、確かに気持ち上がるもんね」

 

 

燃える…アイドル…

 

 

どっかの店員の顔と言葉が頭にちらついたが

 

コップの水と一緒に飲み込んで部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

彼もたまったもんじゃない。

2月19日 金曜日

世界の絵画という本を読んだ。

 

”ヴェールを被ったフレンツェの娼婦”は1504年ごろに制作された肖像画で、

 

作者が「自然物には輪郭線がない」と気づき輪郭線を描かずに

 

ぼかしを使いながら滑らかに描く技法、ソフマート技法をつかって完成された作品。

 

のちに、16世期の画家・建築家のジョルジョ・ヴァザーリという

 

いかにもスタンドを使いそうな彼が正式にこの”ヴェールを被ったフレンツェの娼婦”に名前をつけた。

 

それが、レオナルド・ダ・ヴィンチ

 

モナ・リザ』である。

 

 

 

 

 

レオナルドからしたらたまったもんじゃないよね。

 

勝手に改名されちゃってんだもん。

 

天国で、もしレオナルドとあってさ

 

「いやー、モナリザ半端ないっすね。常に絵画界のトップ走ってますもん」

 

とか言っても

 

「誰それ」

 

て返ってくること間違いなしだもん。

 

しかも後から来る人たち全員に言われて

 

レオナルド自体も絶対気になってるよモナリザのこと。

 

「あっ、この前ルーヴルでモナリザさんと耳飾りの少女さんが同じフロアで共演されてたんですけどやっぱオーラ違いますわあの人達」

 

「だから誰!?モナリザ誰!?なんなの!?何ものなの!?」

 

てなってるんだろうなぁ。

 

それで周りも

 

「なんかダヴィンチ知らないらしいよ」「まじ?超ショックなんですけど」

 

「裏切られた感じ」「あのおっさんはぶこうぜ髭汚いし」

 

「わかる!!え、てかさ絶対あたしたちのことエロい目で見てるよね」

 

「それなー!!まじもう一生こっちみんなって感じ」

 

「さっき頭の輪っかにサイン書いてもらったんだけどもうこれ割るわ」

 

「レオナルドて名前負けすごいよね」

 

とかなってたら大変だよなあ。レオナルド涙目だもん。

 

天国なのに地獄みたいな空気になってたらやだな。

 

あのおっさんめっちゃすごいからね、頭おかしいくらい。

 

確かに昔はダ・ヴィンチがこう、ザ・ウンチで韻踏めるねゲハハ

 

とかいじってたけどそもそもダヴィンチって名前ですらないからね。

 

「ヴィンチ村のレオナルド」て意味でレオナルド・ダ・ヴィンチだからね、

 

あ、別に知識マウントじゃないですよ。

 

まぁ、ね、だからその

 

みんなは天国行ってもレオナルドの味方してやってね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この話を猫にしたところ途中でウンチに行かれた。

 

くそっ

 

 

ティッシュ

2月18日 木曜日

僕の朝は、スマートフォンのアラーム機能との戦いによって始まる。

 

朝は滅法苦手な方で19歳になった今でも朝日とは仲良くなれる気がしない。

 

勿論こちらも仲良くなろうと最低限、手は打っているのだが。

 

少しでも気持ちよくおきたいと思い、僕の好きなガールズグループNiziUの「Make you happy」に設定しているが、効果は今一つ感じられない。

 

というかなんなら、度重なるスヌーズ機能から聞こえる彼女たちの声に舌打ちする回数が増えてきたぐらいだ。

 

起きたときの僕の顔はhappyとは程遠い。彼女たちに悪気はないのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

台所のティッシュがない。

 

いや、厳密にいうとティッシュ箱はあるのだが肝心の中身がない。

 

つまり最後にここのティッシュを使ったものは、自分はことを済ましておいて後処理は他のものに任せて

しれーっとなんでもない顔をし、ほくそ笑んでこの家に住んでいやがるということだ。

 

そんな凶悪犯がこの家に潜んでるなんて考えただけで恐ろしくてこのままじゃゆっくり寝れたもんじゃない。

 

今日も割と寝たけど。もう昼だし。

 

 

早速犯人探しを始めた。

 

我が家は今年48を迎える父、大学3年の兄、そしてけん玉がそこそこ得意の僕の3人。と

 

食欲にとりつかれた犬(♀)と人への警戒心が最近のテレビより薄い黒猫(♂)の3人2獣でできている。

 

容疑者は2人、父か兄か。

 

 

と言ってももうほとんど本心では一人に絞っている。

 

父はマメな性格でテッシュを変え忘れることはそうそうないし、なんなら進んで変えてくれる方だと思っている。

 

 

だとしたら、だ。

 

 

一番怪しいのは今リビングでスマホを見ている兄。あいつしかいない。

 

外ではどうやら気を配っていい男を演じているみたいだが、家では一変。

 

犬猫のトイレは変えない、机も拭かない、掃除もしない、理詰めしてくる、なんかめっちゃ飯食う、俺の分も食う、

 

鼻ほじってそうな顔してる、部屋に賞味期限切れのマグロの缶詰隠してくる

 

なんだもうこいつでいいじゃねーか。うん、こいつでいい。

 

今も兄はすぐ隣でこんな大事件が起きているというのに、くつろいで何食わぬ顔でスマホを見ている。

 

こんなひどい事件を起こした犯人だ。どうせ猫を殺す動画でも見てるんだろう。

 

早速問い詰めるために話しかけた。

 

 

僕「台所のティッシュ最後いつ使った?」

 

兄「昨夜夕食後満腹状態少々眠気時」

 

僕「あね。」

 

 

こわっ。

 

なんで漢字だけなの?

 

 

僕「貴方は昨夜ティッシュを変えずそのまま現場を逃走した....違いますか?」

 

兄「それは知らないけどお腹空いたからお米炊いて欲しいかもしれない」

 

僕「あーおけ」

 

 

こわっ。

 

疑われてる分際でなんでそっちの立ち位置にいれんの?

 

何で僕いま米炊いてんの?

 

 

 

米を研ぎながら考えた。

 

何を僕は向きになっていたんだろうか。

 

ティッシュがない。

 

ならば気づいた僕が帰れば終わる話じゃないか。

 

それを自分が変えたら損だとか、

 

兄にしてやられたみたいで悔しいとか、

 

そんな自分可愛いの気持ちでいたことに恥ずかしさを感じてきた。

 

それではあそこにいる彼と一緒じゃないか。

 

 

よく思い出してみろ。

 

 

僕の好きなNiziUはメンバーのミスを責めるか?

 

否。

 

お互いカバーしあって結果いいチームワークになっているじゃないか。

 

そう思うと新しいティッシュを取りに行く足取りも

 

軽やかになっていく。

 

そうだ、この忘れかけてた心を取り戻そう。

 

ありがとうNiziU

 

朝すごいうるさいけどありがとう

 

舌打ちしすぎてこの前舌切って

わりかし血が出たけど

 

それでも、ね、うんありがとう

 

 

 

 

 

 

 

僕「炊飯完了僕二階二度寝

 

兄「こわっ」

 

 

僕は事件を未解決のまま二度寝をした。

 

 

事件の犯人は昨夜の自分とは知らず。

 

兄ごめん。